世界配信『御室デジタルミュージアムオンライン』(ODMO)初公開 | 世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺
仁和寺からのお知らせ
ご案内
22/04/01

世界配信『御室デジタルミュージアムオンライン』(ODMO)初公開

この度仁和寺の文化財が鑑賞できるオンライン特別サイトを制作いたしました。
このプラットフォームで、記念すべき初めてのオンライン特別展を開催いたします。
第1回の出展作品は、仏像と書跡の5点、いずれも国宝、重要文化財を取り揃えました.

このサイトの最大の特長は高画質の画像が、スムースに表示できること。
指先やマウスの操作で簡単に拡大や移動ができます。

また仏像など立体物は、3D表示に切り替えていただくと、普段は見ることのできない部分まで見ていただけます。
オーディオ機能では仁和寺の僧侶が唱える御経もお聞きいただけます。

文化財の解説文は5か国語(日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語)に対応。
インターネットを通して、多くの方に仁和寺のことを知って頂けましたら幸いです。

オンライン展示期間 2022年4月日(金)~2022日(日)

Grand International Online Premiere of the “Omuro Digital Museum”

We are pleased to announce the launch of a special online site for viewing the historical and cultural properties of Ninna-ji Temple. The first online special exhibition will be held on this platform. The first exhibition features five Buddhist statues and calligraphic works, all of which are national treasures and important cultural properties.

The greatest feature of this site is the smooth display of high-quality images. The images can be easily enlarged or moved using touchscreen gestures or navigated using a mouse. For three-dimensional objects such as Buddhist statues, you can switch to the 3D view to see parts of the image that are not normally visible. The audio function allows you to listen to the sutras chanted by priests of Ninna-ji Temple.

The commentary on cultural properties is provided in five languages (Japanese, English, Chinese, Korean, and Spanish). We hope that many people around the world will learn about Ninna-ji Temple through the Internet.

Thank you so much!

Online Exhibition Period; April 1, 2022 – May 8, 2022 

御室デジタルミュージアムオンライン 御室デジタルミュージアムオンライン

このたび、総本山仁和寺は、文化庁令和三年度文化多言語整備事業において、文化財アーカイブを構築できる仁和寺デジタルミュージアム(プラットフォーム)を製作いたしました。そこで、一部データに関して、デジタルミュージアムオンラインのテスト運用を開始し、一般公開しますのでお知らせいたします。

🌸真言宗 御室派 総本山仁和寺
仁和4 (888) 年、第59 代宇多天皇によって開創された仁和寺は、天皇の御入室以後1000年の間、明治の純仁法親王まで皇子、皇孫が仁和寺の門跡 ( 住職 ) を務められました。そのため、御室御所と呼ばれるようになり、門跡寺院の筆頭格として現在まで法灯を守り続けてきました。宇多天皇以降、皇族が歴代門跡に就任することによって、歴史上の人物、朝廷、文化人と緊密な関係を築き上げてきました。特に平安時代の頃には、鎮護国家の道場としてだけでなく、貴族、

また当代の有名歌人が集い、度々和歌会が開催されるなど、仁和寺文化と言われるまでの一大サロンを形成するに至っておりました。

また、『大鏡』『平家物語』『栄華物語』等々の有名な古典文学には、そのように密教を伝えるだけでなく、文芸、絵画、建築等、文化を発信する場としての御室御所の姿が描かれております。

🌸【御室デジタルミュージアムオンライン】とは

 ODM Omuro Digital Museum  online

このたび文化庁の補助金支援(文化庁令和3 年度文化財多言語解説事業)により、文化財アーカイブの構築と、一部一般公開のためのサイトを制作しました。ODM オンラインは、構築した文化財アーカイブの中から厳選して、数点の文化財情報をオンライン上で公開するサイトです。
アーカイブの構成は、超高精細画像や3D データなど先端技術を用いたビジュアル情報、分かり易い解説文からなるテキスト情報、読経や声明などのオーディオ情報から成り立っています。また検索機能も充実しており、時代や作者、文化財の種類などの諸条件にマッチする文化財を容易に抽出することが可能です。
今回は、国宝「阿弥陀如来坐像」「勢至菩薩立像」「観音菩薩立像」「高倉天皇宸翰御消息」重要文化財「悉達太子坐像」の計5 点、いずれも仁和寺を代表する秘宝を公開いたします。専用ウェブページで、どなたでも多言語で 見ることができます。

🌸事業の目的

仁和寺に所蔵されている宝物類は、国宝12 件・88 点、重要文化財は47 件・1,678 点です。御室デジタルミュージアムオンラインでは、それらを最新のデジタル技術を用いてデジタル化し、アーカイブおよび情報公開することを目指しています。
信仰者、文化・歴史・ 術・宗教学の研究者、観光客、学校教材など、閲覧の目的は多様です。公開の方針として、①一般公開、②専門家学者研究者への特別公開、および③オンライン展示等の「デジタル展示」を行ってまいります。

🌸ODM オンラインの特徴
 超高精細画像(数GBから数百GB 巨大ファイル)のシームレスな閲覧

京都大学発の最先端デジタル技術を用いて、文化財を超高精細で撮影しました。解像度300dpiから1200dpi 程度の超高精細画像が閲覧でき、絵画の微細な表現や墨蹟の筆遣いまで、まるで顕微鏡を覗いているように見てとることができます。
高画質の画像は通常ファイルサイズが重いため、表示が遅れることや、滑らかな画面移動ができないことがありますが、ODMでは、シームレスな閲覧体験を実現しています。5G 普及を見据え、高速大容量の配信・閲覧に対応しています。

 国際規格に対応

ODM はデジタルアーカイブの国際規格IIIF トリプルアイエフ(International Image Interoperability Framework) に対応しています。IIIF は画像のアクセス権を標準化し、相互運用を活性化させる国際規格です。
現在インターネット上には様々な画像のデジタルコレクションが存在していますが、規格がばらばらで相互運用できていないのが現状です。情報は公開( オープン) と共有( シェア) することが潮流の昨今、仁和寺では横断的な文化財研究の発展に寄与するために、国際規格対応のサイトを制作し、海外を含めた幅広いユーザーの利便性を向上させたいと考えています。

 多言語対応

日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語に対応しています。仁和寺から世界に向けて、多様な言語で日本の仏教文化の魅力を発信していきたいと考えております。

🌸ODM kiosk について

御室デジタルミュージアムオンラインでは、Web上でアーカイブおよび情報公開をしていきますが、仁和寺霊宝館内に設置する端末【ODM kiosk】では、寺内限定で、より多くの文化財を閲覧することができます。
タッチパネルディスプレイで、簡単に操作することが可能です。仁和寺の中だけで見ることのできる情報を随時公開してまいります。

🌸本プロジェクトの背景

 文化財保存修復のための新たなしくみ・価値づくりの必要性

約1200年の歴史を持つ世界遺産 仁和寺は、広大な土地と建物、多くの宝物を所有しておりますが、日本の社会現象である少子高齢化による社会保障費の増額、日本人拝観者の減少などが予想されており、文化財保護のための財源の確保が最重要課題となっています。
現状の予算では、補助対象となる国宝や重要文化財の維持管理にとどまり、補助対象とならない建造物の修繕や増改築には踏み切れないのが現実です。
天災などによる修繕費用もかさむ中で、助成だけに頼るのではなく、所有者自らが保有する文化財の保存修理費用を捻出できるような新たなしくみを整えて自立していくことが急務であると、私たちは考えています。
また、先人たちから受け継いだ建築物を含む文化を100年、200年先に伝えていくためには、時代に応じた取り組みによって新たな付加価値を発信していく必要があります。
そのような考えのもと、世界遺産 仁和寺では、境内の歴史的建造物「松林庵」を宿泊施設として活用する事業や、SDGs を意識した、敷地内「成就山御室88 ヶ所」の整備事業など、様々な取り組みを行っております。
コロナ後を見据え、文化財をより価値のある資源として活用し、ひいては新たな文化財の創出や、技術の継承につなげていくことが大切と考えております。
世界遺産 仁和寺が守り伝えてきた古典文化を、最先端のデジタル技術によって次世代に残していくことはもちろん、より広く公開・活用していくことで、新たなしくみや価値づくりにつなげていきたいという思いを持っております。
【御室デジタルミュージアムオンライン】が多くの方に喜んでいただけることを願っております。

御室デジタルミュージアムオンラインに関するお問合せ
総本山仁和寺 財務部 管財課 金崎・朝川
電話:075-461-1155 E-mail gishin-kanazaki@ninnaji.jp