母と子・・・・無償の愛春はそこに~花は微笑む

仏の教えは、お釈迦さまによって開かれた教えです。今からおよそ二千六百年前の方で、現在のネパールの国、ルンビニーの花園で、母がマヤ夫人からお生まれになりました。お父さまは浄飯王といいました。カピラ国の王さまで、お釈迦さまはそのお城の王寺さまとして誕生されたのでした。
この時、空から甘露の雨が降りそそいだという故事にならって四月八日のお釈迦さまの誕生日にはお花でお堂をしつらえ、甘茶をかけお祝いする習が「花祭り」という法要です。
お釈迦さまはお生まれになって、七歩あるいて、天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)とおっしゃられたといわれています。その内容は一言でいえば、生命(いのち)の尊重ということだと解釈ができます。他人の命を軽視し、自分の命すら断とうとするものもいますが、この世に生命を受けたものは等しく尊い存在であり、人間の命のみならず全ての生きものを大切にしましょうという事なのです。
ところがお釈迦さまが生まれて程なくお母さまのマヤ夫人が亡くなり~その後、お釈迦さまの母の妹にあたる方によって養育されることとなりました。このようなお釈迦さまの若き日の体験~すなわち人間この世生まれればかならず誰でも避けられない「生老病死」の四つの苦しみを通して仏教の教えは成立されました。
その最も大切なことは物事の正しいあり方を知り、どんなに苦しい困難に出会っても生きていく希望をもつことであろうと感じています。
「おかあさんのかんじょう書き」というお話しが(佼成出版社)の中にありました・・・
進くんという少年が学校へ出かけるとき、前の夜に書きつけたメモを二つに折ってお母さんの机の上に置くと元気いっぱい「〽行ってきます・・・」と家を出ました。
そのメモにはこう書いてありました。
かんじょう書き
一 市場にお使いに行きちん 十円
一 お母さんのあんまちん 十円
一 お庭のはきちん 十円
一 妹を教会につれて行きちん 十円
一 婦人会のときのるすばんちん 十円
合計 五十円
進より
お母さんへ
進くんのお母さんは、これを見てニコっと笑い、その勘定書きのメモに五十円をのせ、机の上に置きました。進むくんは大喜びで貯金箱にその五十円をしまい、「〽よし、もっとお母さんのお手伝いをして小遣いを貯めよう・・・」と思ったそうです。
次の日の朝・・・・・
「進・・・朝ごはんよ」
「〽はーい・・・」
起きてきた進くんがご飯を食べようとしたら、机の上に一枚の紙があります。
それを見ると、それはお母さんの勘定書きでした。
お母さんのかんじょう書き
一 高い熱が出てハシカにかかったときの看病代 ただ
一 学校の本代、ノート代、エンピツ代 みんなただ
一 まいにちのおべんとう代 みんなただ
一 さむい日に着るオーバー代 ただ
一 進さんが生まれてから、今日までのおせわ代 みんなただ
お母さんより
進さんへ
これを見たとき、進くんは胸がいっぱいになり、大粒の涙がこぼれたそうです。
そしてこれからどんなお手伝いをしてもお金なんかいらない。大好きなお母さんのために、自分のできることをもっとしてあげよう、と思ったそうです。
お金を超えた世界があることを進くんが初めてしった瞬間であり、お母さんは無償の愛を見事に進くんにおしえた瞬間でもありました。
何かをしたから何かをしてほしいと求めるのではなく、ただ、ただ、他の人びとの幸せを~祈る教えこそ、お釈迦さまの願いであり、母と子の関係こそ仏の姿であります。
四月八日花祭りは、そのようなご縁の日です・・・・・。
いよいよ春がまいりました~心も晴ればれ~お花が心地良いお説法をしてくれます。
お花さんありがとう・・・・ 合掌


