秋の特別拝観 第51世門跡再任記念 金堂裏堂 五大明王壁画特別公開

仁和寺 秋の特別拝観 第51世門跡再任記念 金堂裏堂 五大明王壁画 特別公開
2018 年。総本山仁和寺では372年にわたり非公開とされてきた五大明王の壁画を初公開し、その迫力や色彩の鮮やかさは、多くの方を魅了いたしました。このたび、5年ぶりの特別公開が決定しました。
🟥真言宗 総本山仁和寺
仁和四 (888) 年第五十九代宇多天皇によって開創された仁和寺は、天皇の御入室以後、1000年の間、明治の純仁法親王まで皇子、皇孫が仁和寺の門跡 ( 住職 ) を務められました。そのため、「御室御所」と呼ばれるようになり、門跡寺院の筆頭格として現在まで法灯を守り続けてきました。
宇多天皇以降、皇族が歴代門跡に就任することによって、歴史上の人物、朝廷、文化人と緊密な関係を築き上げてきました。特に平安時代の頃には、鎮護国家の道場としてだけでなく、貴族、また当代の有名歌人が集い、度々和歌会が開催されるなど、仁和寺文化と言われるまでの一大サロンを形成するに至っておりました。『大鏡』『平家物語』『栄華物語』等々の有名な古典文学には、密教を伝えるだけでなく、文芸、絵画、建築等、文化を発信する場としての御室御所の姿が描かれております。
🟥特別公開【五大明王】
平成30年、総本山仁和寺では、第51世門跡瀬川大秀大僧正の晋山を記念し、寛永年間の移築以来372年にわたり非公開を貫いてきた五大明王の壁画初公開という、歴史的な特別拝観を行いました。
この壁画は、金堂裏堂すなわち須弥壇背面の裏、いわゆるお堂のバックヤードにあたる場所に描かれており、僧侶でも薄暗い手灯りでしか見ることができない貴重な壁画です。
不動明王を中心に金剛薬叉明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王の五大明王が柱を挟んで一体ずつ細部まで丁寧に描かれ、柱にも美しい文様が施されています。不動明王は高さ2.2m、幅3.7m、その他は幅2.8m という迫力です。
このたび、初公開より5年を経て、ふたたび公開することを決定いたしました。迫力ある壁画を見て楽しむことはもちろん、五大明王の御朱印をいただくこともできます。
どうぞ貴重なこの機会をお見逃しなく、多くの皆様に楽しんでいただければと思います。
🟥五大明王とは
五大明王とは、数多くの仏の中でも忿怒を表す明王部の代表的な五尊から成り立っており、真言宗においては不動明王・降三世明王・軍荼利明王・大威徳明王・金剛薬叉明王の五尊とされています。
これは護国三部経の一つである『仁王経』に説かれており、彼らはそれぞれ金剛界曼荼羅の中心にいる五仏が仏法に従わない者を懲らしめるために忿怒の明王に変化した姿であると言われています。
この五大明王は護国三部経に説かれるように日本国の安寧を願う鎮護国家の為に修法され、同じく鎮護国家を願って毎年東寺で行われる後七日御修法や五壇法と呼ばれる大法でも必ずこの五大尊壇が組み込まれます。さらには堂の中に邪悪な者が入ってこないようにする結界の役割を果たしています。
🔹金剛薬叉明王 こんごうやくしゃみょうおう
3 つの顔と6 本の手、左足を高く上げたお姿。正面顔には5 つの目。左手の「金剛鈴」の他、様々な法具や武器を構えています。
🔹降三世明王 ごうざんぜみょうおう
各3 つの目がある3 つのお顔、手は8 本。左足でシバ神を、右足でウマ女神を踏みつける、何とも勇ましく偉大な力を持つ明王です。
🔹不動明王 ふどうみょうおう
五大明王の動かざるリーダー、髪は巻毛で手には剣と縄。右下の牙で上唇を噛み、左下唇を垂らして左上の牙を出すお顔が特徴的です。
🔹大威徳明王 だいいとくみょうおう
6 つの顔、手に足も6 本ずつという威厳に満ちた明王。水牛に乗る姿が一般的ですが、仁和寺では乗っていない姿で描かれています。
🔹軍荼利明王 ぐんだりみょうおう
指をぴんと伸ばして胸の前で交差、よく見ると手や足に蛇を巻き付けた個性的な明王。災いを取り除くと言われています。

🟦 会 期:令和5年10月14日(土)~ 12 月3 日(日)
🟦 拝観時間:11月末まで 10時~ 17時(受付16 時30分終了)
12月3日まで 10時~ 16 時30分(受付16時終了)
🟦 拝観停止日:10月31日(火)11月1日(水)16日(木)17日(金)
🟥関連イベント
10月15日 福王子神社大祭(国名勝 仁和寺御所庭園 南庭15時~)
10、11月18日 観音会(重要文化財 観音堂 11時・13時・15時)
10、11月21日 御影供(重要文化財 御影堂 9時30分~)
10、11月25日 OMURO88 護摩祈祷会(成就山88ヶ所霊場88番札所)
写経会(13時~)護摩祈祷(14時~)
10月27日 諡号奉賛法要(14時)
10、11月28日 護摩供養 大黒堂(10時)
🟥五躰の明王特別御朱印

一躰 700円
🟥特別公開見どころ
仁和寺の五大明王は、江戸時代の絵師である木村徳応によって描かれたと伝えられ、細部まで描かれた繊細さと、明王特有の迫力は圧巻です。
仁和寺本尊の阿弥陀如来に手を合わせていただいたのちに、五大明王の描かれた裏堂へご案内いたします。一体一体間近で、僧侶の解説つきでご拝観いただけます。
五大明王はそれぞれ装飾や出で立ち、持ち物が異なっており、担う役割やそれに伴う意味をあらわしています。
強大な力を持つ五大明王と御縁を結ぶ貴重な機会に、ぜひご参拝ください。
お問合せ 仁和寺 拝観課 TEL075-461-1155