OMURO88プロジェクト 御室成就山 88 ヶ所整備事業計画について | 世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺
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20/05/01

OMURO88プロジェクト 御室成就山 88 ヶ所整備事業計画について

済仁法親王

■御室成就山88ケ所霊場について
 文政10年(1827)頃、仁和寺第29世門跡であった済仁法親王(不壊身院御室)が、四国八十八箇所の巡拝ができない人々のために発願し、仁和寺寺侍・久富遠江守文連に命じて、四国八十八箇所各札所の砂を持ち帰らせ、お堂に埋めたことが起源。実際に仁和寺境内の成就山(標高二三六メートル)、約三キロメートルの山道沿いに、四国八十八箇所を模して、八十八宇のお堂には実際の四国八十八箇所の札所の寺院と同じ本尊と弘法大師を祀る。成就山八十八ヶ所とも称される。

・二十九世済仁法親王(1797~1847)。父は有栖川宮織仁親王
・享和元年(1801)真言宗勧修寺に入寺するも、文化4年(1807)仁和寺に移る。
・【文政13年】7月2日文政京都地震発生八十八ヶ所にも被害あり。
・【天保3年】再建(天保二年には『御室八十八ヶ所四国栗毛』が刊行される。

■88ヶ所の構成と台風被害
・88ケ所の構成
 礼拝施設:約90棟 対象地:約10万坪 樹木:杉・ヒノキ(人工林)数万本 ため池:3個 水域:全長600m
・88ケ所被害
 樹木倒壊数百本 ・建物被害70棟 ・斜面の崩落、河川、ため池の氾濫 ・決壊
 被害総額: 算出不能

■御室成就山88ヶ所霊場と整備事業計画
 仁和寺金堂の北側に広がる御室成就山88ヶ所は88の諸堂が点在しております。しかし近年頻発した台風等の自然災害や経年劣化により、倒木や参道の崩落、諸堂の破損、境内にある弁天地の決壊などが発生し、現在も一部仮補強で対応する状況が続いております。また不法投棄なども絶えません。そこで、この度、御室八十八ヶ所霊場開山200年の記念の年を7年後に迎える節目の時機、成就山の整備(以下「御室地区等整備プロジェクト」)を7ヶ年で計画し、諸堂や参道、治山・治水を含めた総合的な整備を段階的に着手する運びとなりました。

【事業計画:7か年】
1期:環境整備事業(倒木・不法投棄の持ち出し)
2期:堂宇の修理。立て直し・参道整備
3期:治山治水工事(河川整備・樹木植栽・伐採など)

■御室成就山88番庫裏・薬師湯及び再整備祈願について
 整備事業は治山治水を含めた再整備を念頭においておりますが、先ずは、台風等で倒れた樹木の持ち出しと、不法投棄の撤去を進めてまいります。

 撤去に際しては重機、車両を用いての作業を考えており、御室成就山88番周辺に進入路や倒木・不法投棄を一時的に集積するスペースとして、88番「萬霊堂」に併設されている庫裡、薬師湯の建物が台風被害や経年劣化が進み根本的な修理が必要であることから、更地化し、整備事業を進めるための核となるスペースとして用いる計画です。整備事業が終われば、新たな時代に合った宗教施設などを再構築する計画です。

 88番に隣接する庫裡、薬師湯は昭和46年頃まで参拝後に信者さんの汗を流すための浴場として用いられた施設であり、さらに昭和10年頃から平成27年頃までは御詠歌の道場として多くの方が集まる場所でしたが、このたび整備事業の一環として、さよならイベント及び萬霊堂での護摩供を持って解体撤去となりました。

成就山 88 番庫裏・薬師湯

■財源の確保と将来の展望

Ⅰ 寄付・写経・勧進(護摩木祈願)の開始 
写経については、88写経と題して、新に新設。
写経は常時、御殿内白書院にて受け付けるが、毎月1週目、3週目(木・金・土)合計6日間は本坊、大内間に於いて、88ケ所を後世に残す意義と、その魅力、良さについて触れていただく、僧侶と共に巡る特別写経会を実施する。
(御殿、大内間における写経会に関しましては、新型コロナウィルス感染症対策として三密を避ける為、開催延期となりました。 4月15日現在)

Ⅱ 護摩木勧進について
88ケ所の再整備と自身の願いを祈願する護摩木を用意し祈祷料を収めていただく。
また、祈願いただいた護摩木は、毎月25日、皆さまの祈願と88ヶ所の整備成就を祈念する、護摩法要を実施いたします。(令和2年4月25日スタート)

Ⅲ 88寄付・勧進
88ケ所の勧進として、1万円以上の寄付をいただいた方へ、重要文化財、飛壽亭、遼廓亭への特別拝観と、本願天皇を模したとされる国宝阿弥陀三尊の精巧模型を授与いたします。

Ⅳ 周知
88ケ所の各堂を擬人化し、キャラクターを新設し、若い世代へ向けて、88ケ所を周知し、88ヶ所に足を運ぶ機会を設ける。
2020年5月1日 OMURO88プロジェクト『御室ムスメ』公式サイトがオープンしました。

御室ムスメ公式サイト

Ⅴ 新たな価値
【心と体】健康とマインドフルネス
現状、88ヶ所を巡る方は、一日100人程度であり、大半は中高年が多く、健康を意識されて、全長約3キロのコースを自発的に歩いていたり、中高年で構成される【歩こう会】などもハイキングコースとして利用している。また、学生などは、トレーニングを兼ねてジョギングしている。そこで、これからの【OMURO88】は現代人が健康管理のために取り組んでいるトレイルやマインドフルネスといった要素も取り入れ、地域住民、多くの世代、諸外国の方が集う、新しい、88ヶ所を目指す。

Ⅵ 名称変更
今後、幅広い世代と国際化を図るため(インバウンド含む)に、御室88ケ所から【OMURO88】と名称を変更する。

Ⅶ 88ケ所で開催するイベント
・毎月25日88護摩法要(於 萬霊堂)
・88写経会(第1週・第3週の木金土3日開催)
(写経会に関しましては、新型コロナウィルス感染症対策として三密を避ける為、開催延期となりました。 4月15日現在
・88ウォーキング(京福協賛)
・OMURO88花見mapの作成
・88御朱印など

「御室88ケ所霊場」