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御室芸術祭について
~祈りと芸術の響き~

門跡猊下

仁和寺は宇多天皇を開山法皇とし、888(仁和4年)年の創建より令和の時代まで、弘法大師空海を宗祖とする真言宗の法灯を継承する寺院です。
当寺はこれまでに建造物の焼失や移転など、幾度もの困難がありましたが、創建当初から時代の変化に対応しながら寺院活動を行ってまいりました。

創建より約1130年の間に失われたものも多数ありますが、現在国宝12件、重要文化財47件、その他約2万件に及ぶ文化財(宝物、什物、聖教など)を所有しています。1994年には世界文化遺産に登録されたことで、国内に留まらず、多くの訪日人が当寺の歴史的宗教建築群や庭園、宝物などを参拝、鑑賞されており、当寺にとっても日本の宗教や伝統文化、藝術などを伝える機会が増えております。そういった中で宗教活動と共に、保存と公開を行っております。

近年文化財の保存として、国宝三十帖冊子、重文万葉集註釈の保存修理、礼拝施設の修復では重文観音堂(半解体)、国宝金堂(蔀戸)、公開として東京国立博物館に於いて「仁和寺と御室派のみほとけ」展、金堂内で「五大明王」展、観音堂特別公開、霊宝館に於いて名宝展を開催しております。
所有する文化財を守り伝えてきた事は、開山宇多法皇の「祈りの心」とともに脈々と継承され、生き続けているように思いますが、その背景には多くの僧侶をはじめ、それぞれに携わった技術を持つ人達の尊い気持ちに支えられて来たように思います。
さらに当寺は、宇多天皇以降、皇族が歴代門跡に就任することによって、歴史上の人物、朝廷、文化人と緊密な関係を築き上げ、特に平安時代の頃には、鎮護国家の道場としてだけでなく、貴族、また当代の有名歌人が集い、度々和歌会が開催されるなど、仁和寺文化と言われるまでの一大サロンを形成するに至っておりました。
また、『大鏡』『平家物語』『栄華物語』『徒然草』等々の古典文学には、文芸、絵画、建築等、文化を発信する場としての御室御所の姿が描かれており、芸術や文化を育み花開く場として人々に感動を与え、長い歴史の中で文化が育んだ貴重な財産となっております。

そこで、仁和寺では文化財を保護し、次世代に繋ぐこと、さらには現代の藝術を後世に残す取り組みが必要であると考え、延いては、広い意味での文化財保護活動の一如を担うと考え、長期的に現代の作品を残す取り組みを行うことといたしました。

この度の芸術祭を通じて仁和寺にお越しいただき、お寺と芸術に触れていただきたく、お待ち申し上げております。