今年もお盆がまいりました | 世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺
今月の法話
今月の法話
26/08/01

 今年もお盆がまいりました

お盆は、ご先祖さまや亡くなられた大切な方々を偲び、そのご恩に感謝を捧げる大切な仏教行事ですが、その由来は『仏説盂蘭盆経』(ぶっせつうらぼん)に説かれる(釈尊の弟子)目連尊者のお話にあります。

目連尊者は、亡き実母が餓鬼道で苦しんでいる姿を見て、何とか救いたいと食べ物を差し上げます。しかしその食べ物は炎となり、母は口にすることができませんでした。そこでお釈迦さまは「一人の力だけではなく、多くの修行僧に供養を捧げ、その功徳を回向しなさい」とお教えになり、その功徳によって母は救われさらに七世の父母や現世の父母にもその功徳が及ぶと説かれています。

御詠歌にも「百味の飯食 五果等を 調えそれを盆にもり、自恣(じし)の衆僧に供養せば、その功徳にて母のみか 六親眷属もろともに、三途の苦をばまぬがれん」と詠まれており、これは真心を込めて供養を捧げ、その功徳を亡き方々へ回向することの尊さを教えています。またその功徳は亡き方だけでなく、私たち自身の心を育み、仏さまを敬い、人を思いやる心へとつながっていくことを示しているのではないでしょうか。

私たちは、お盆になるとお墓参りをし、お仏壇に手を合わせます。それは亡き方々を供養するだけではありません。今日こうして生かされている自分自身が、多くのご先祖さまの命のつながりの中にあることを思い起こし、そのご恩に感謝する機会でもあります。また、お盆は亡き方を偲ぶだけでなく、今を生きる私たちが命の尊さを見つめ直す大切な節目でもあります。日々を感謝の心で過ごし、人を思いやる行いを積み重ねることが、ご先祖さまへの何よりの報恩となることでしょう。

どうぞ今日は、ご先祖さまへの感謝と報恩の心を込めて、皆さまとともに心静かに~施餓鬼精霊供養和讃~をお唱えいたしましょう。その清らかなお声が、ご先祖さまへの供養となり、私たち一人ひとりの心にも仏さまの慈悲の光が届きますことを念じています。



1. 帰命頂礼地蔵尊  清き流れに舟浮かべ  亡き父母や精霊の  頓成(とんじょう)菩提を回向する  尊い供養勤めなん

2. 百味の飯菓(おんか)を施して  修する善根功徳には  華の台(うてな)に招かれて  永久(とこしえ)かけて救わるる  尊い供養勤めなん

3. 色とりどりのお灯籠  歓喜の光明照しつつ  地蔵菩薩に導かれ  極楽浄土へ往(ゆ)き給う  尊い供養勤めなん                                                                      〽

私たちは仏の教えを受け、多くのご先祖さま、最後に両親とのご縁によってこの世に今存在しています。もし、今までのつながりの中で一人でも欠けていれば、今の自分は存在しません。

今ある命を知り、ご先祖さま、ご両親に報恩の念をお示しする行事こそお盆なのだと思います。お家に帰って来られるご先祖の霊に手を合わせ、お参り頂くお寺さまと一緒に供養する事も、有り難い報恩行ではないでしょうか~この思いとこの行為こそ大切な心なのです。

残暑お見舞い申し上げます ・・・・・ ではまた・・・・合掌